おすすめYA紹介⑥「二つ、三ついいわすれたこと」

こんにちは。5月も今週で終わり、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私は最近ゆっくり読書する時間がとれていません…😭

毎年この時期は忙しいですよね。

 

今日ご紹介するのはこの本!

 

二つ、三ついいわすれたこと

ジョイス・キャロル・オーツ 作

神戸 万知 訳

 

出版者:岩波書店

国:アメリ

刊行:2014/1/28

ページ数:340p

定価:1,800円+税

装画:山田 緑

原題:TWO OR THREE THINGS I FORGOT TO TELL YOU

 

 

表紙は山田緑さん。うっとりするほど繊細で美しい挿絵です。線のタッチがすごく大好きな感じです。そう、私はザ・少女趣味なんです(笑)

この表紙が好きすぎて、山田緑さんのカツオドリのLINEスタンプを買いました。めっちゃかわいい〜

 

あらすじ

元子役でカリスマ的な魅力をもつティンクが死んだ。ティンクと仲良くしていたメリッサやナディアはティンクの死からなかなか立ち直れない。そんな中、彼女たちも家族や友人関係の問題を抱えていき……。

 

切なくて、痛くて、ひりひりします。

嫌なことが続くと、痛みで麻痺して日常がぼんやりと膜に包まれたようになることありません?

この物語もそんな曖昧な中で語られているのかな〜なんて想像したり。

 

個性的な友達のティンクが死に、ミス・パーフェクトと呼ばれるメリッサとぽっちゃりで尻軽だとからかわれるナディアは暗い闇にのみこまれていきます。

 

オーツの言葉は切れ味鋭いんですよね。胸にささって抜けない棘のようにいつまでも心に残り続けます。

取り返しのつかない愚かで破滅的なことをしながらどこか冷静な語り口が悲しく痛々しいんです。

 

あのさ、しばらくのあいだみんなと会えないかも。

みんな大好きだけど、ちょっと燃えつきちゃった。ま、たいしたことじゃないから。

ティンク

 

ひどく奇妙な感覚だが、思いがけなく、ほっとする。ほんの小さな血のしずくが出てくると、メリッサは体をふるわせ、ほほえんだ。

これは罰。当然の報いよ。

ことを正さなくちゃ。

生まれて初めての、道理にかなうことだとメリッサは思った。これまで、だれからも教わることができなかったが、メリッサは自力で答えにたどりついた。

(本文より)

 

ある人たちはこの物語をありえないと批判するかもしれません。これは大人が夢想したものであって10代の問題ではない、こんな感情になる普通のティーンの女の子などいないと。なぜなら高校生の女の子は人生で最も楽しく、美しく、純真なものなんだから…

でもこれって結構ある話なんじゃないでしょうか。

あなたの隣にも潜んでいる闇。

一歩足を掛け違えたら転がり落ちそうな闇。

それをフィクションだって笑えるなら、本当に幸せだよね。

 

 

何よりも驚きなのがオーツは1938年生まれなこと!このティーンの痛々しさや初々しさをおばあちゃんが書けるのは本当に驚きです。私20代だけどもう書けないよ…。

ジョイス・キャロル・オーツノーベル文学賞にノミネートされるほど有名な作家らしいのですが、皆さん知っていました?

これはまた書きたいと思うんですけど、私が大好きなジョナサン・サフラン・フォアの大学のゼミの先生でもあるらしいのです。好きな作家同士の繋がりがあるとなんか嬉しいよね。

 

とても悲しいんですけど、この本は絶版になってるので手に入りにくいんですよね…電子書籍にもなっていないし。版権とかの関係なんでしょうか。

手元に置いておきたくて4年ほど前に新品を手に入れたんですけど、当時ですら定価で手に入れるのに苦労しました。本の入手経路に詳しい方がいたら上手な入手方法を教えて欲しいです。

私はhontoアプリ(2024年5月31日でサ終、悲しい😭)から店舗受け取りの取り寄せをしました。やっぱり本屋さんで取り寄せるのが早いんですかね?出版社公式サイトでは既に売り切れでした…

 

あまりの痛々しさに好き嫌いが分かれるかとは思いますが、心に残り続ける作品です。ぜひ読んでみてください。