こんにちは。前回更新してから一週間。
なるべく定期的に更新できるよう頑張ります!
私の好きな川島如恵留さんはとても忙しいのに毎日ブログを更新してくれています。おかげでメディア露出が少ない時期でも近況を知ることができて、好き!となります。
時間の使い方が上手い人ってすごいよね…。
今日紹介する本はこちら↓
タフィー
サラ・クロッサン 作
三辺 律子 訳
出版者:岩波書店
国:イギリス
刊行:2021/10/28
ページ数:412p
定価:2100円+税
原題:TOFFEE
カバー画:星野ちいこ
あらすじ
父親の暴力から逃げ出した16歳のアリソンは行き場を失い、さまよううちに一軒の家の納屋にたどり着く。空き家かと思われた家にはマーラという老女が住んでいた。アリソンは逃げ出そうとするが、マーラは認知症でアリソンのことを昔の友人のタフィーだと思い込んでいるらしい。奇妙な共同生活が始まった。
おすすめポイント
物語に深みを加えているのはなんといっても詩のような文体。散文詩形式というらしいのですが、主人公アリソンの独白をダイレクトに、シャープに伝えてくれます。本が分厚く、圧倒されてしまいそうですが、横書きで、余白をたっぷり使ったページ構成なので意外にもさらりと読めてしまいます。
リモコンどこだ?
父さんが質問する。リモコンはどこだ?/それは、リモコンを探せという意味。
父さんがきく。夕食はなんだ?/それは、腹がへった、食事を出せという意味。
父さんの質問は質問じゃない—要求であり非難だ。わたしを不安に陥れるための武器。
(本文より引用)
誰に語るでもないような、心の中に浮かんだ言葉をつぶやくような口調は行く当てもなくさまよう主人公アリソンの苦悩や痛みを歌のようにつづります。
父親にひどいことをされても、失望しても、それでも嫌いにはなれない。だってお父さんだから……。
書く、というのは自己救済の方法のひとつだと言います。
誰も見ていないと分かっていても辛い気持ちをSNSに投稿せずにはいられなかったり、選ばなかった人生を想像して小説を書いてみたり。
長い時間が経ってからでも、私はあの時辛かったんだと認めてあげることは大事だと感じます。私はあの時こうだったからこうしたけど、本当は辛かったんだ、と。過去の自分を認めてあげられると区切りがついて、過去の事として見ることができるようになるんじゃないかな……。それには時間がかかるかもしれないけれど。
散文詩形式は書く、という面においてもいい形式だなと思いました。
普段詩を読まない方でも意外なほどに読みやすいので、ぜひ読んでみてください。
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