こんにちは。長かったゴールデンウィークも終わり、また日常が始まったと思うと辛いですね😭
今回紹介する本はアルプスの少女ハイジです。
新生活が始まって1ヶ月と少し、今の環境合ってないかも…毎日辛いし仕事辞めたい、学校行きたくない…と病んでる人におすすめの一冊です。
基本的に私の読書欲はこの辛い気持ちを誰かに分かってほしい心に端を発しているので…YA探索♪とか軽いノリですけど。
松永 美穂 訳
出版者:角川文庫
国:スイス
刊行:2021/1/25
ページ数:430p
定価:1,160円+税
カバー図版:ホドラー≪ユングフラウ、イゼンフルーからの眺め≫
原題:Heidis Lehr- und Wanderjahre、Heidi kann brauchen, was es gelernt hat
アルプスの少女ハイジといえばなんといっても国民的アニメが有名ですよね。私も幼い時にDVDで全部見ましたし、徳間アニメ絵本も繰り返し読んでいたのでかなり刷り込まれています。
しかし、アニメの知名度に対して原作はあまり知られていないようで、原作があると言うと驚く人もいるくらいです。
スイスの作家ヨハンナ・シュピリによる原作のタイトルは「Heidis Lehr- und Wanderjahre」(ハイジの修行時代と遍歴時代、1880年出版)および「Heidi kann brauchen, was es gelernt hat」(ハイジは習ったことを使うことができる、1881年出版)。(Wikipediaより)
原題長すぎやしませんか、と思いますが原題はゲーテの作品から着想を得たものらしいです。内容は基本的にアニメそのまま。
挿絵のせいか、心なしかアニメよりも暗っぽく感じるのは私だけでしょうか?
福音館古典童話シリーズの矢川澄子訳の箱入り・ドデカ本が重厚な感じで好きなのですが、置いておく場所がないので文庫本を持っています。こっちは軽くて読みやすいです。
ハイジは天真爛漫な幼女というイメージが強いけれど、大好きなアルプスから離され大都会フランクフルトに連れて行かれ、夢遊病になってしまいます。
アルプスの風景に似た美しい絵を見て涙が止まらなくなったり、食事が喉を通らなくなったり…。
ハイジはひとりぼっちで部屋の片隅に座って、向かいの家の壁に当たる太陽の光を見なくてすむように、両手で目を押さえていました。そうやって、胸のなかで熱く燃えるなつかしい気持ちを音もなく抑えつけながら、クララに呼ぼれるまで、じっと座っていたのでした。
なんかさ…もう…こんな辛い思いしなくていいんだよ…涙涙
このハイジの気持ちがドンピシャ刺さってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は異動になって辛すぎて、眠れず食べられず情緒不安定で…という時期に読んで大号泣しました。
お医者様の判断でハイジは大好きなアルプスに帰るのですが、帰ってからのくだりも最高で、町の嫌われ者で人と関わらないように生きてきたおじいさんの心を溶かしたり実は辛い思いをしていたお医者様の心を救ったりクララの病気を治したり、本当に心が洗われるような物語です。
今の環境が合わなくてヤミヤミしてる人にぜひ読んでほしいです。
この本はそこから抜け出す勇気をくれるんじゃないかと思います。
ぜひ読んでみてくださいね。
おまけ
ペーターの目の見えないおばあさんとの初会話はいつ読んでも泣けてしまいます。
「ああハイジ、もうけっして見えないんだよ。火のような山も、上の方に咲いてる金色の花もね。この世界ではもうけっして見えない。もうけっして」
するとハイジは大きな声をあげて泣き始めました。悲しみでいっぱいになり、ずっとしゃくり上げています。「誰がまた見えるようにしてくれるの?誰にもできないの?誰も?」
大人になってから読むと余計に胸に刺さりますね…