おすすめYA紹介⑦「秘密の花園」
お久しぶりです。
定期的に更新を、などと言いつつ最終更新が約一年前!というびっくりなことになっていました😅つい最近更新したような気がしていたのですが…(毎回こんなこと言ってる気がするね)
皆さんのお家にはお庭がありますか?
大きい庭でも小さい庭でも、生活に余白を与えてくれるようで素敵なものです。特に道路に面してない、全くの敷地内にある庭って自分だけの秘境のようでいいよね。
今回紹介するのは庭に関するお話。女子校の話じゃないよ。
秘密の花園
フランシス・ホジソン・バーネット 作
畔柳 和代 訳
出版者:新潮社
国:イギリス
ページ数:448p
定価:710円+税
原題:The Secret Garden
カバー装画:酒井駒子
あらすじ
十歳にして両親を亡くし、親戚に引きとられたメアリ。顔色も悪く愛想のない彼女を唯一楽しませたのは、ひっそりと隠された庭園だった。世話役のマーサの弟で、大自然のなかで育ったディコンに導かれ、庭園と同様にその存在が隠されていた、いとこのコリンとともに、メアリは庭の手入れを始めるのだが――。三人の子どもに訪れた、美しい奇蹟を描いた児童文学永遠の名作を新訳。(新潮社公式サイトより)
おすすめポイント
ざっくり言うともう少し性格の悪いアルプスの少女ハイジみたいなもので、放っておかれて育った少女メアリと、病弱でヒステリー持ちの少年コリン、ヨークシャなまりの自然児ディコンの3人が閉ざされていた庭園を再生させる話です。
打ちひしがれていた人たちが自然に触れて癒されていく……という王道児童文学ですね。
舞台はイギリス。「嵐が丘」や「ジェインエア」で描かれているように何もない荒涼としたムーア。大豪邸で100以上の部屋があるけれど話し相手はメイドひとり。そんな侘しい環境で主人公メアリーが夢中になったのが10年間閉ざされていた庭を再生させること。10歳の子供がガーデニングに夢中になることなんてあり得るのか!?と思われる方もいるかもしれないんですけど、広大な屋敷にいてやることのない子供ですからね。
それに私自身小学校の時美化委員で、花壇の手入れに夢中になっていたことを思い出します。朝早く登校して雑草を抜いたり肥料をやったりするのが楽しかったですね。もっとも、美化委員はクラスで一番不人気な委員会でしたけど……。
自然を通して自己理解に至り、大人たちも巻き込んで奇跡を起こしていく。何度読んでも胸がじーんとするお話です。この本を読むとガーデニングしたくなります。春ですし花見をしながら自然に目を向けてみるのもいいかも♪
何度か映画化もされているようで、1993年版を観ましたがめちゃくちゃ良かったです!映像で観るとより鮮明にヨークシャの風景をイメージできます。花園もとっても綺麗です。
U-NEXTでは配信されているよう。Amazonで新品のDVDを買っても1200円なので、こちらもおすすめです。
おすすめYA紹介⑦「七月の波をつかまえて」
毎日本当に暑いですね…通勤だけで倒れそうな日が続いています💧
今日は、夏にぴったりな爽やかなYA小説をご紹介します。
今年の夏は暑すぎて外に出る気力もなくなりがちですが、本の中だけでも涼しい風を感じてみませんか?
七月の波をつかまえて
ポール・モーシャー 作
代田 亜香子 訳
出版者:岩波書店
国:アメリカ
刊行:2024/6/20
ページ数:289p
定価:1,900円+税
装画:早川 世詩男
原題:Summer and July
あらすじ
パパが家を出ていって以来、あらゆるものが怖くなってしまった12歳のジュイエ。旅先の海辺の町で、太陽みたいに明るいサーファーガールのサマーと出会い、気づけばサーフィンに挑戦することに――。別れの予感を胸に、生まれては消えていく波を夢中で追った、とくべつな31日間の物語。生きることのきらめきに満ちた傑作!(岩波書店公式サイトより)
おすすめポイント
7月の1か月間を描いた、サーファーガールたちの物語です。(もう7月は終わっちゃいましたが…)
Xでも書きましたが、主人公ジュイエは12歳にしてゴスメイク! 真っ黒なメイクに全身黒のファッション、Tシャツには「DEATH」の文字。一方で、カリフォルニアの美少女サーファー・サマーは、水着に裸足で街を歩くような陽キャタイプ。
正反対の二人が出会い、波に乗り、恐怖を克服し、忘れられないひと夏を過ごしていきます。
「ありがとう」サマーがいう。
「え、なんで?」
サマーが両腕をあげて、まわりじゅうをぜんぶひとまとめにするようなしぐさをする。「こういうのぜんぶ、わたしとシェアしてくれて。シェアする価値があるってことを思い出させてくれて」
(本文より)
別れても、離れても、心の中で繋がっている――そんな関係性って、本当に得難いものだと思います。
同じクラスでも違うグループにいたり、物理的に離れていても、確かに感じられる心の絆。
12歳という多感な時期に、生涯忘れられない友達と出会えたジュイエの物語に胸がぎゅっとなります。
読後は、波の音や潮の香りがふとよみがえるような余韻が残るはずです。 ぜひ手に取ってみてください。
趣味の話①ポストクロッシング
こんにちは。
とってもお久しぶりになってしまったのはパソコンが壊れたからなのでして…大学時代レポート作成でお世話になってきたけれど、とうとうネットに繋がらなくなってしまいましたわ 😭ブログはパソコンで書いていたのでなんだかやる気がなくなってしまい…いえ、こんなのは言い訳ですね…
やっとアプリを入れたので更新できるようになりました!
ということで、本の話もしたいけれど今回は少し趣味の話を。私の趣味はそんなに多くないんだけれどハマるとずっと続けるタイプなのです
趣味① ポストクロッシング
なんだそれ?という方も多いと思いますが…
簡単に言えば海外の人にポストカードを送ったり受け取ったりできるサービスのことです。
完全ランダムに相手が決まるので個人的にやりとりしない限りはsendもreceivedも完全一方通行なのが気楽にできて好きです。自分の住所を登録するか私書箱を持つかしないといけないのでそこだけデメリット?かもしれないですが……まあ、自分の住所はランダムで当たった相手にしかいかないので誰でも見れるわけではないし、プロフィールを見るのも会員登録してログインしないといけないのでわりと安全だと思ってます。
住所の管理は個人の裁量のうちなので完全に危険がないわけじゃないけどね。始めて2年少しですが、すでに55カ国、300枚以上のポストカードを送受信していますよ。
海外にポストカード送ったりもらったりして何が楽しいんだ〜っていうと、サプライズ感だよね!✨自分の郵便受けに知らない人から外国の切手を貼ったポストカードが届くって、一回経験してみたら分かりますよ、めちゃくちゃ嬉しいですよ 。
自分が行ったことのない、きっと行くことのない国や場所からポストカードが届くっていうのは地球というかリアルタイムな世界を感じられてちょっと感動します。
ポストクロッシングの日本人の登録ユーザーは1万人くらいで、アクティブユーザーはもっと少ないかな。
登録者が一番多いのはロシア、台湾あたり
でも最も熱心なのはドイツ 届くポストカードの3割がドイツ
殴り書きのような読めない文字を書くのがフランス
教科書のような綺麗なブロック体を書くのが台湾・中国女子
おもしろいよね (あくまで個人の感想ですが)
今朝はアラブ首長国連邦にポストカードを送ったんだ〜ってめっちゃおしゃれっぽくない?
昨日帰ったらボスニア・ヘルツェゴビナからポストカード来ててさ〜ってイケてるよね!(どこにある国か分からずGoogleマップで調べました、それも楽しいのです)
郵送料は少し値上がりしたけれど、全世界1枚100円で送れるしお手頃だね。
ポストカード集め・切手集めという趣味が広がったのも嬉しいです。
以前紹介した「紙の心」という本は主人公たちが手紙のやり取りをするうちに仲良くなり、謎を解いていく……という内容なのですが、「はじめまして、誰かさん!」という一文で始まるんですね。この一文が素敵だな〜とずっと心に残っていて、ポストクロッシングを知った時にこれだ!と思いました。ボトルに入れた手紙を海に流すような出会いって素敵じゃないですか?🫙
最近読んだ本② 「死んでしまう系のぼくらに」
こんにちは。
もう7月も半ば!
定期的に更新したいとか言っていてしばらく間が空いてしまいました。
梅雨時期は髪の毛がボサボサになりますね…私もそろそろ縮毛かけるべきかしら
今日のお題: やっぱり詩はいいんだよ〜
死んでしまう系のぼくらに
最果 タヒ 作
出版者:リトルモア
刊行: 2014/9/15
ページ数:100p
定価:1,200円+税
ブックデザイン:佐々木 俊
詩っていうと何を思い浮かべますか?
私は宮沢賢治とか金子みすずとか、国語の授業で習った詩を思い出します。
覚えてはいるけれど意味はあんまり理解できないことも多く、詩にはずっと苦手意識があったんです。
しかし!最果タヒさんの詩を読んで「わ、わかる〜〜〜!!」と開眼、感動しました。
言葉は何かを伝えるためのツールじゃなくても、音の響きや感性で選んでも伝えたいことが伝わるんだなと感じさせてくれます。
最果タヒさんはネットでも作品を発表されているので、本を手に取らなくても気軽に読めるのもいいですよね。「死んでしまう系のぼくらに」に収録されている作品のいくつかはネットでも読むことができます。
特にこの詩とか好きで…
18歳くらいの時に初めて読んだんですけど、その当時の方がひりひり共感できたかな。今は青春の仄暗い煌めきみたいなものを感じます。
韓国語と中国語にも翻訳されていて、日本語だとタララッとしたこの音の響きはどんな感じになるのか、オーディオブックを聞いてみたいですね。
おすすめYA紹介⑥「二つ、三ついいわすれたこと」
こんにちは。5月も今週で終わり、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私は最近ゆっくり読書する時間がとれていません…😭
毎年この時期は忙しいですよね。
今日ご紹介するのはこの本!
二つ、三ついいわすれたこと
神戸 万知 訳
出版者:岩波書店
国:アメリカ
刊行:2014/1/28
ページ数:340p
定価:1,800円+税
装画:山田 緑
原題:TWO OR THREE THINGS I FORGOT TO TELL YOU

表紙は山田緑さん。うっとりするほど繊細で美しい挿絵です。線のタッチがすごく大好きな感じです。そう、私はザ・少女趣味なんです(笑)
この表紙が好きすぎて、山田緑さんのカツオドリのLINEスタンプを買いました。めっちゃかわいい〜
あらすじ
元子役でカリスマ的な魅力をもつティンクが死んだ。ティンクと仲良くしていたメリッサやナディアはティンクの死からなかなか立ち直れない。そんな中、彼女たちも家族や友人関係の問題を抱えていき……。
切なくて、痛くて、ひりひりします。
嫌なことが続くと、痛みで麻痺して日常がぼんやりと膜に包まれたようになることありません?
この物語もそんな曖昧な中で語られているのかな〜なんて想像したり。
個性的な友達のティンクが死に、ミス・パーフェクトと呼ばれるメリッサとぽっちゃりで尻軽だとからかわれるナディアは暗い闇にのみこまれていきます。
オーツの言葉は切れ味鋭いんですよね。胸にささって抜けない棘のようにいつまでも心に残り続けます。
取り返しのつかない愚かで破滅的なことをしながらどこか冷静な語り口が悲しく痛々しいんです。
あのさ、しばらくのあいだみんなと会えないかも。
みんな大好きだけど、ちょっと燃えつきちゃった。ま、たいしたことじゃないから。
ティンク
ひどく奇妙な感覚だが、思いがけなく、ほっとする。ほんの小さな血のしずくが出てくると、メリッサは体をふるわせ、ほほえんだ。
これは罰。当然の報いよ。
ことを正さなくちゃ。
生まれて初めての、道理にかなうことだとメリッサは思った。これまで、だれからも教わることができなかったが、メリッサは自力で答えにたどりついた。
(本文より)
ある人たちはこの物語をありえないと批判するかもしれません。これは大人が夢想したものであって10代の問題ではない、こんな感情になる普通のティーンの女の子などいないと。なぜなら高校生の女の子は人生で最も楽しく、美しく、純真なものなんだから…
でもこれって結構ある話なんじゃないでしょうか。
あなたの隣にも潜んでいる闇。
一歩足を掛け違えたら転がり落ちそうな闇。
それをフィクションだって笑えるなら、本当に幸せだよね。
何よりも驚きなのがオーツは1938年生まれなこと!このティーンの痛々しさや初々しさをおばあちゃんが書けるのは本当に驚きです。私20代だけどもう書けないよ…。
ジョイス・キャロル・オーツはノーベル文学賞にノミネートされるほど有名な作家らしいのですが、皆さん知っていました?
これはまた書きたいと思うんですけど、私が大好きなジョナサン・サフラン・フォアの大学のゼミの先生でもあるらしいのです。好きな作家同士の繋がりがあるとなんか嬉しいよね。
とても悲しいんですけど、この本は絶版になってるので手に入りにくいんですよね…電子書籍にもなっていないし。版権とかの関係なんでしょうか。
手元に置いておきたくて4年ほど前に新品を手に入れたんですけど、当時ですら定価で手に入れるのに苦労しました。本の入手経路に詳しい方がいたら上手な入手方法を教えて欲しいです。
私はhontoアプリ(2024年5月31日でサ終、悲しい😭)から店舗受け取りの取り寄せをしました。やっぱり本屋さんで取り寄せるのが早いんですかね?出版社公式サイトでは既に売り切れでした…
あまりの痛々しさに好き嫌いが分かれるかとは思いますが、心に残り続ける作品です。ぜひ読んでみてください。
おすすめYA紹介⑤ 「タフィー」
こんにちは。前回更新してから一週間。
なるべく定期的に更新できるよう頑張ります!
私の好きな川島如恵留さんはとても忙しいのに毎日ブログを更新してくれています。おかげでメディア露出が少ない時期でも近況を知ることができて、好き!となります。
時間の使い方が上手い人ってすごいよね…。
今日紹介する本はこちら↓
タフィー
サラ・クロッサン 作
三辺 律子 訳
出版者:岩波書店
国:イギリス
刊行:2021/10/28
ページ数:412p
定価:2100円+税
原題:TOFFEE
カバー画:星野ちいこ
あらすじ
父親の暴力から逃げ出した16歳のアリソンは行き場を失い、さまよううちに一軒の家の納屋にたどり着く。空き家かと思われた家にはマーラという老女が住んでいた。アリソンは逃げ出そうとするが、マーラは認知症でアリソンのことを昔の友人のタフィーだと思い込んでいるらしい。奇妙な共同生活が始まった。
おすすめポイント
物語に深みを加えているのはなんといっても詩のような文体。散文詩形式というらしいのですが、主人公アリソンの独白をダイレクトに、シャープに伝えてくれます。本が分厚く、圧倒されてしまいそうですが、横書きで、余白をたっぷり使ったページ構成なので意外にもさらりと読めてしまいます。
リモコンどこだ?
父さんが質問する。リモコンはどこだ?/それは、リモコンを探せという意味。
父さんがきく。夕食はなんだ?/それは、腹がへった、食事を出せという意味。
父さんの質問は質問じゃない—要求であり非難だ。わたしを不安に陥れるための武器。
(本文より引用)
誰に語るでもないような、心の中に浮かんだ言葉をつぶやくような口調は行く当てもなくさまよう主人公アリソンの苦悩や痛みを歌のようにつづります。
父親にひどいことをされても、失望しても、それでも嫌いにはなれない。だってお父さんだから……。
書く、というのは自己救済の方法のひとつだと言います。
誰も見ていないと分かっていても辛い気持ちをSNSに投稿せずにはいられなかったり、選ばなかった人生を想像して小説を書いてみたり。
長い時間が経ってからでも、私はあの時辛かったんだと認めてあげることは大事だと感じます。私はあの時こうだったからこうしたけど、本当は辛かったんだ、と。過去の自分を認めてあげられると区切りがついて、過去の事として見ることができるようになるんじゃないかな……。それには時間がかかるかもしれないけれど。
散文詩形式は書く、という面においてもいい形式だなと思いました。
普段詩を読まない方でも意外なほどに読みやすいので、ぜひ読んでみてください。
X(旧Twitter)始めてみました♪ @chiekko_2
最近読んだ本紹介①「わたしを離さないで」
こんにちは!
約1年も更新しないブログはもはやブログなのか?という感じですが…。
ここ数年でYA以外にもいろいろなジャンルの本を読んできたので、ゆっくり紹介できればと思います。
よろしければたまにのぞいていってください!
今日紹介する本はこちらです↓
わたしを離さないで
カズオ・イシグロ 作
土屋 正雄 訳
出版者:早川書房
国:イギリス
刊行:2008/8/25
ページ数:450p
定価:980円+税
装画:民野 宏之
原題:NEVER LET ME GO
2017年にノーベル文学賞を受賞して話題になったカズオイシグロの作品です。
私は先日、人生初のコロナになったのですが、この本を枕元に置きちびちびと読んでいました。
高熱の中読む純文学は最高でした!……というのは嘘で、本当に頭がおかしくなりそうでした。あまりにも有名な本なのでネタバレはその辺にゴロゴロと転がっていますが、どうせなら一切ネタバレなしで読みたいと思い、事前情報なしで読み始めたのですが…。
読者に世界観の説明はあまりなく、情報が小出しにされるので読み進めていくうちに分かってくるタイプの書き方です。(なんていう手法?)まあ~読むのに根気のいること…。
あらすじ
優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設へールシャムの親友トミーやルースも「提供者」だった。キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度……。彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。
(ハヤカワオンライン公式サイトより引用)
主人公キャシーの友達、ルースの描写がリアルでした。目立ちたがり屋で女王様気質で、でも二人きりの時はなんでも話せる良い友達で。キャシーとルースはまあまあ喧嘩しがちなので、読んでいてドキドキしちゃいました。過去を振り返る仕方で書かれてるので、常に二人の現在の関係性が気になります。
雰囲気から勝手に18世紀くらいの話かと思っていたら普通にウォークマンがでてきて驚きました。
昔から、「わたし」をめぐる話…「わたし」とは何かを深く考えるような話が好きです。
生まれた瞬間や生まれる前から、この子はこの家を継ぐのだとか、この子はあの家に嫁に行って跡継ぎを生むのだとか、そうだと既定された人生は楽なのでしょうか、それとも苦しいのでしょうか、それは人によって異なるのでしょうか。
現代を生きる私たちの大多数がそうであるように、何でもできる何でもなれる人生はこれまで生きてきた多くの人々の命の上に成り立っている世界で、人類が求めてきたものですよね。何でも自分でつかみ取れる可能性のある、自由な人生を歩む人は幸せでしょうか?
一方、既定された人生で一生を終える人は不幸せでしょうか?籠の中の鳥や大海を知らない魚のように、開かれた機会としての自由を知らないで人生を終えることはその人生と天秤にかけてももったいないような不幸なんでしょうか。
アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」は人間の感情や指向を数値化するシビュラシステムが個々人の適性を判断してくれて、その通りにすれば大多数の人は幸福のうちに生きることができる話でした。今も適性診断、性格診断、あなたにカスタマイズされたものが流行っているということは、こんなに自由な社会の中でも頼っていいと思える基準、わたしを定めてくれるものが欲しいことの現れですかね。誰だって遠回りしたくはありません。
産業革命と市民革命が起き市民社会が誕生して約200年、もう完成された世界を生きているようでいて、まだまだ私たちは混沌とした中を生きているんだなあと思いました。最近AIが普及してきているけれど、AIが人生を決めてくれる日も近いんでしょうか。(選び取った自由なようでいて決められた枠内の限定的な自由、というのはディストピアものあるあるですね)
頭を使って読むので、スマホに侵された脳には良い刺激になりました。
ぜひ、コロナ隔離中などではなく元気な時に読んでみてください♪


